可変速装置の設計担当 浜田 忠幸
節電にもつながる「可変速装置」の盤設計。
同じオーダーは一つもないから、
毎回、違った難しさと面白さが味わえる。
標準の盤をお客様の希望通りに作り替える設計を。
技術的に難しい案件ほど、挑戦心が刺激される。
私が現在携わっているのは、「可変速装置」と呼ばれる機器の盤設計です。可変速装置とは発電の原動機になるタービン・モーターを制御し、電気を使うあらゆる設備に使われている装置。この装置でモーターを適切に制御することができれば、それだけムダな電気の節約にもつながります。そういった意味で、ものづくりを通して陰ながら持続可能なエネルギー社会に貢献しているとも言えます。
大手重電機メーカーの設計部門から「装置の盤をこんな風にカスタマイズしたい」という依頼を受け、メーカーが求める機能を満たす盤の構成を設計図として落とし込んで納品するのが一般的な仕事の進め方です。
設計を依頼される装置の盤は、まったく同じパターンは一つとして存在しません。一つひとつの設計案件が試行錯誤の連続だけに、初めて経験する仕様の機器や、配置に制限がある機器など、難易度の高い設計を完成させたときの達成感は大きなものがあります。
可変速装置のプロとしての意見が、
お客様との信頼関係を支える原動力になる。
設計する際に私が大切にしているのは、製造部門の人たちの作業シーンをイメージしながら配置を組み立てることです。いくら機能的に優れている設計になったとしても、いざ工場で組み上げる際に「手が入らない!」となってしまったら、製品として形にならないからです。
お客様が描いている完成イメージは意外と漠然としているもの。だからこそ、「ぶつからない位置に移動させましょう」「感電のリスクがあるから距離を確保しましょう」「こうした配置の方が部品を減らせるのでコストダウンになりますよ」など、可変速装置のプロの視点から提案することを心がけています。
今まで最も手ごたえがあったのが、冷却目的で特殊なファンを設計に盛り込んだ案件です。お客様から指定を受け、ファンが止まっている時に異物が入ってこない部品を取り付けました。部品の位置取りに入念な計算が求められた分、「何とか成功させよう!」というエンジニア魂が刺激されました。
もっと小さく、シンプルな盤を―。
エンジニアとしての探求心は尽きない。
ものづくりに対する情熱は、ガンプラに熱中していた小学生時代から自覚していました。大学の機械工学科を卒業後は、技術志望で技術系商材を扱う商社に就職。会社の事情で営業を経験した結果、「自分はやっぱりものづくりの仕事がしたい!」という気持ちになり、エンジニア未経験で当社に転職しました。
自分が設計に携わっているのは、普段生活していて目にふれるような製品ではありません。しかし、エンジニアの自分としては、自信を持って今の仕事が天職だと言えます。可変速装置の盤設計は、小型化・シンプル化という観点で、まだまだ技術的に追求できる余地があるはず。これからも新しい知識・情報を積極的に取り込み、お客様から依頼された案件に工夫を盛り込みながら、お客様に感動をもたらす成果を追い求めます。
また今の設計環境が2Dのみなので、3Dにもチャレンジして、設計の仕事をもっと面白くしていこうと思います。